大阪市立大学同窓会(全学同窓会)

クラブよ~いドン!第6回「AIESEC」

 皆さんはAIESECという団体をご存じだろうか。126の国々と地域に委員会を持ち、世界で7万人のメンバーが活動する世界最大規模のNPO法人である。貴重な体験ができるこの団体の魅力を伝えるため、アイセック大阪市立大学委員会に所属する鈴木ジュリアノエルさん(文・新3年)と根来柊治さん(経・新3年)にお話を伺った。

 

 ――AIESECとはどのような活動をする団体なのですか。

 根来 主に、海外インターンシップに関わる活動です。これには送り出し事業と受け入れ事業の2種類があります。送り出し事業とは、日本の学生が海外の企業やNPOの団体でインターンシップに参加するものです。受け入れ事業はその逆で、海外の学生にインターンシップに参加するため日本に来てもらいます。私たちはこれらの運営を行うと共に、参加もしています。

 ――部員は何人いますか。

 根来 1~3年生合わせて約50人です。男女同じくらいの人数バランスです。

 

活動しているAIESECのメンバー=鈴木さん提供

 

 ——活動している曜日を教えてください。

 根来 木曜日に全体で、それに加えてチームごとで週1回ほどミーティングを行っています。

 

 ——ミーティングはどのような話し合いをするのですか。

 根来 海外インターンシップを運営していくにあたって、どうすれば経験した人がより成長し、満足してもらえるのか考えています。また、メンバー自身が将来どうなりたいか、どうすれば今の社会をもっとよくできるのかについて一緒に考えることもあります。

 

 ——チームというのはどのようなものですか。

 鈴木 自分の興味がある分野について考えるグループのようなものです。教育や環境、中小企業などのチームがあります。また、企業の社長の方に、外国の人を受け入れてもらうことで新しい視点を持ってもらおうとアプローチするチームもあります。

 根来 例えば僕が入っていた教育のチームでは、幼児教育に課題意識を持っている人が集まり、状況の改善には何が有効か話し合い、実際に海外の学生に日本の幼稚園でインターンシップを行ってもらいました。子供たちに外国人が身近にいるということや、自分と違う人がいることを当たり前だと感じてもらうのが目的です。もちろん海外の学生にとっても貴重な経験になります。子供のうちにこのような出来事を体験することは、将来自分と異なる人と出会ったときに拒絶するのではなく受け入れることに繋がり、よりよい社会を作っていく手助けになると考えました。

 

 ——インターンシップではどのような経験ができるのですか。

 鈴木 大変なこともありますが、様々な文化的背景を持つ人と協働し一つのことを成し遂げる経験ができます。例えば、私はベトナムで観光業促進のインターンシップに参加しました。そこで現地の高校生に地元の魅力を認識してもらうためのイベントを企画・開催し、プロモーションビデオを作成しました。自分がやりたいこと、達成したい目標が実現できるようにサポートしてもらえるので非常に良い経験になりました。

 

ベトナムでのインターンシップ=鈴木さん提供

 

 ——お二人が、この団体に入ろうと思ったのはなぜですか。

 根来 僕は浪人していて他の人より1年遅れているという意識がありました。他の人と何か違うことがしたい、また、引っ込み思案で人前で話すのが苦手なのを克服したいと考えていました。AIESECの新歓に行ったとき、ある先輩がプレゼンテーションソフトなどを使って堂々と話している姿を見てかっこいい! と思ったのがきっかけです。しかも、その先輩だけではなく他の先輩も堂々と話していたのです。先輩方は決して昔から人前で話すのが得意だったわけではなく、入って変われたとおっしゃっていて、大学でこういう風に変われるのかと驚きました。自分のできなかったことができるようになり、何事にも挑戦できる環境が整っていることが一番の決め手でしたね。今では人前で話すことが楽しくなりましたし、自分が言いたいことを伝えたり、人の目を見て話したりということが身についたと感じました。母親に、AIESECに入ってから僕が言っていることが分かりやすくなったとも言われました(笑)。ずっと自分のことを見てきた家族から言われたことで自分は変われたのかなと実感できました。

 

 ——この団体の魅力は何だと思いますか。

 根来 所属することで、世界中の支部の出会ったことがない人とでも繋がることができることだと思います。タイで現地の支部のAIESECのメンバーに会ったときに、社会をよりよくしたいという同じ目標を持っていることに驚きました。同じ団体にいることで一瞬にして昔からの知り合いのような関係になったんです。友達というよりは、一緒に働く同志のような関係に近いですね。

 鈴木 自分と他の人が共に成長できる感覚があることだと思います。また、インターンシップという人生の分岐点に関わることができます。これは、他の人になかなかできない貴重な体験です。自分のする行動が社会にどのような影響を与えるのか、先を見て行動できるようになりました。普通に楽しく大学生活を送るだけではなく、それに付加価値がつけられる団体だと感じます。

 

 ——新歓に行く1年生にアドバイスはありますか。

 根来 とにかく少しでも気になる団体の新歓は行くべきだと思います。周りから聞いた噂を信じ込むのではなく、自分で確かめることで分かることもあります。最初新歓に行くときは一人でも、そこで必ず友達はできます。勇気を出して一歩踏み出すことが大事だと思います。

 

 ——では最後に読者にメッセージをお願いします。

 鈴木 AIESECに入るにあたって英語が話せないといけないわけではありません。英語が苦手なメンバーもいますが、彼らも日本語や簡単な英語でコミュニケーションを取っています。なので、そこを不安に感じる必要は無いです。また、市大には安定志向の人が多いと言われてしまいがちですが、新しいことに挑戦したいと考えている人もいるはずです。AIESECはそう考える人が集まっているので、大学に入って何かしたいと考えている人はぜひ一度遊びに来て欲しいですね。私たちも全力でサポートします。

 根来 大学は社会に入る一歩前の段階です。将来何をするか、何をしたいか考える最後のチャンスだと思うので、AIESECでそのお手伝いができれば嬉しいです。

(出展元:Hijicho HP

2019.04.11

同窓会報 有恒

  • 26号
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