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会長挨拶

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ご挨拶

 1921年に生活科学部の源流となる大阪市立の高等実修女学校が設立されて95年が経ちました。 ほぼ一世紀の歴史を重ねてきたのかと思うと、感ひとしおのものがあります。卒業生のみなさんが、いろんな分野で生き生きと活躍している姿を拝見したりお聞きしたりすると、とても誇らしく思います。みなさんが家庭で企業で学校で、あるいは違った場所で、常に前向きに頑張っておられることは、それが家政学や生活科学とは違う領域であっても、私達にとってはとても嬉しいことです。多様な人生を歩む卒業生のみなさんが、青春の一時期を大阪市立大学の家政学部・生活科学部で過ごされことは、その人生にどんな影響を与えることになったのだろうかと、いつも楽しげに拝見しています。

 私も大学教員になり40年、年を重ねたせいか過去を振り返ることが多くなりました。この間、時代や社会は驚く程に変質したように痛感しています。かっては時間の流れがもっと緩やかだったように思います。勉強であれ研究であれ、また社会の仕事や家庭の家事も、まず自分で考えそれから行動に移す時間のゆとりや心の余裕があったように思うのです。コンピューターや機械化は、人間の仕事を軽減してもっと自由な時間を与えてくれるはずでした。でも、この40年の間に、私たちの仕事は逆にどんどん増え、労働時間はますます長時間化しています。「ゆっくりと考えて、それから自分の意志で」なんてことは、現代社会では極めて困難になっています。 

 このまま時代や社会の変化に無批判に流されて行くと、その先に待ちかまえている生活とはどんなものだろうかと不安になります。私たちが本来志向するはずだった「安心して心豊かに生きたい!」そんな生活に繋がって行けるのだろうかと?どうも逆の方向に進んでいるように思えてなりません。「家政学・生活科学は人間解放の科学」という視点を今一度思い起こし、私たちがそれぞれの道で、自分自身の仕事を生活科学的に再検証してみる時期にあるのではないでしょうか。そこから感じる素直な疑問や矛盾こそが、無批判に流されないための大切な契機になってくれると思います。それをどんな風に一つの声にまとめるのか、時代を変える力にするのか、そのことが生活科学の新たな課題になっているように思うのです。

大阪市立大学生活科学部同窓会      
会長 岸本 幸臣(昭和38年 住居学科卒業)
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