あ い さ つ

朝原 晟吉

人間と人間の距離をかってなく今程ひろげて遠くしたもの何なのか。他人と関わること、他人を必要とすること、誰かを愛すること、我々にとって果たして今、それが出来るか。我々にとって愛は、しょせん持続して燃焼する感動でしかあり得ない。それは肉と肉が結ばれる瞬間に、激しく輝くものなのだ。人間は結局、この瞬間に肉体でしか結ばれることはないのだ。あとはその激しい輝きを網膜の残像にとらえたと信じ続けているのにすぎない。これはただ一時の青年らしい病かも知れぬ。しかし病というものが、その時の生命の活動が極限に達した肉体の最高の状態であることは疑いのない所だ。病が治ると云うことは習慣の中に死ぬことである。健康であるということは、生命が習慣の中に死んでいることだ。
今回の独立公演が演目変更となり、チケットその他で皆様にご迷惑かけたことを深くお詫びいたします。「転落の後に《の訳者、菅原卓氏の公演上許可、ただし黙認あるいは、無視するといった上明確な態度、黙認公演といった原作者を侮辱した態度を許さない我々の芸術家的良心(たとえそれが若者の自負であったとしても)などにより演目を変更しました。”つのぶえ”でかってなかった難事を克朊すべく新しく取り組んだ劇「蜜の味《。
さあもう開幕です。我々と作者とそしてあなたとで会話をはじめる時間です。
―パンフレットより―


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