幸福を求めて………………関口晃宏

人生の幸福とは何でしょうか?人々は夫々幸福をまさぐります。或る人は楽しい夢を見ます。こうすれば幸福になれると―。だがその夢の実現される場は人の生きて居る社会であります。夢を実現さす為には社会を考えなくては駄目な筈です。社会の一員として自分の立場を…。自分の生活の、生活の基盤への反省の上で理想に向っての歩みかくしてこそ如めて人間の幸福は得られると思います。 理想のみに走ったとき、又夢のない生活、共に悲惨であり、不幸であります。紀子と銀二の「悲願」も此処にあると考えます。
人は足がなくても歩けない頭がなくても歩けない。
人生の幸福、足下を見つめて一歩一歩前進する事に依って初めて得られるのではないでしょうか。(抜粋)

お芝居……………浜田治子

お芝居は神経質です。
演出者も演技者も、神経をすり減らしながら、公演までの日を送ります。
お芝居は気紛れです。
何時どんな問題が起ってくるか、知れものじゃありません。
お芝居は生きています。
神秘なスポットの中で、演出者も演技者も、呼吸し続けるのです。

女と芝居…………山口幸夫

酒場で女がカウンターに寄りかかり、客の若い男のまだ子供っぽい赤い頬を鷹の羽根で撫でていた。『可愛い頬っぺた』『羽根のようだろう』『―浮気―なんでしょ。』
相恰をくずして 赤ん坊をあやしていたあんなにも可愛い娘が、フト側を通りかゝった一団の着飾った娘を見ると、忽ち冷たい敵意に満ちたトゲトゲしい女に変ってしまった。

日比野諦観

いくつかのセリフから一人の人間を、造りあげる仕事こんな困難な、でもそれだからこそ楽しいことが他にありましょうか、だから演劇というものを、こよなく愛します。

謎………………菅野徹

創造の場に我れ自ら酔いしひれて、或は華やかな舞台にあこがれて、演劇への郷愁を断ち難いのならば、毎夜の晩酌の方がまだしも救える。
常に自己を意識する程馬鹿げたことはないが、又、自己の姿を常に見失ってはならない。
これが、かゝる状態に対する唯一の警告ではないだろうか。

河村淳子

生きることの悲しさ、相入れぬ悲しさ、それでもなお生きてゆかねばならない人間。
そうした紀子が、現せたら、本当に嬉しいのですけれど。

装置の泣言………………阪本雅信

板と布で囲まれた空間に、木と紙と色で造型する。こいつぁ楽しい夢なンだが、ここにも破防法がある。そいつは舞台の寸法でも乏しい予算でもない。鎖で縛っているのは「演出」というオヤジ。その上の空間だけが、おらが舞台。だが観客で、こゝンところを理解してくれる人はあまりにも少ない。「素晴しい」とか「立派だ」とかの賛辞は、ちっとも嬉しくないないのだ。

斉藤惠子

ヤリマスヨ。ヤリヤ イインデショ デモ、ナゲヤリジャナイノ アタシ、一生懸命デスノ アタシ春子ガスキ、 トッテモ
(パンフレットより)


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